秦 望(はた のぞみ)さん:ireamブランドディレクター

2023.10.23

わたしと漢方

ピラティスや鍼灸で心身を整え、自分の代わりがいないからこそ日々健康でいたい

秦 望(はた のぞみ) ireamブランドディレクター

大手百貨店の三越伊勢丹に就職し、転職と独立、そして出産を経て、2021年に自身のブランド「iream(アイリアム)」を立ち上げ、現在ディレクターとして同じ母親に寄り添ったライフスタイルを提案している秦望さん。定期的にピラティスや鍼灸に通い、健康管理に気を遣っています。一児の母となり、健康についての考え方やライフスタイルが変化してきたと話します。「子供が生まれ、子育て中心の生活にしたいと思うようになりました。独立して、病気になった時でも自分の代わりがいないので、だからこそ日々健康でいたいという思いが強くなりました」と話します。今回、秦望さんに子育てと仕事を両立する中で日々、大切にしていることについてお話をうかがいました。

身近な人のスタイルを参考に

健康のために運動を心がけていて、今も続けていますが妊娠中はピラティスをしていました。そのおかげか妊娠中も体重が6キロしか増えませんでした。私はピラティスの中でも機械を用いるマシーンピラティスに励んでいて、インナーマッスルや体幹を鍛えています。ストレッチと筋トレを交互に行うイメージで、かなりきつい運動です。インストラクターも「背骨の3番目を意識して」と細かく指示してくるので、運動をしながら頭を使うためとても疲れるのですが、ピラティスをした後は頭も体もスッキリして気持ちが良いです。運動して疲れるのではなく、運動してスッキリする快感が大事ですし、長く続けられることが1番大切だと思っています。

SNSで情報収集が簡単になり、健康でいるための選択肢も増えましたが、その分なにをどう選ぶかといったことに難しさもあるように感じます。私はSNSの情報に頼るのではなく、実際に人に話を伺うことがほとんどですね。自分ひとりで調べることに限界はありますし、身近な人のスタイルを参考にして自分の生活に取り入れるようにしています。通っているピラティスのインストラクターが健康についての知識がとても豊富で、その先生が信頼できる1番の口コミだと思っています。

頑張る女性たちのライフスタイルに寄り添いたい

仕事とプライベートの割合は、4:6くらいでしょうか。ただ、ワークライフ・バランスという言葉が自分の中であまりしっくりせず、バランスはそこまで意識していません。「これがワークで、これがライフ」という境界は作らずにいます。ディレクターの仕事も子育てや家事も忙しいですが、子どもが寝た後にワインを夫婦で飲みながらNetflixで韓国ドラマを見る至福タイムを設けて、それで1日をリセットするようにしています。

最近1番嬉しかったことは、私が元社員だと知らずに、「iream」に三越伊勢丹のバイヤーから連絡をいただき、ブランドの初めてのポップアップを三越伊勢丹で開催することができたことです。「iream」は、年齢を重ねて、家族ができて、ママになって、とライフスタイルが変わっていっても、いつまでも「本当の私らしく」いられるようにという想いを込めて、”who I really am”の造語をブランド名にしました。アイテムは全てメイドインジャパンで展開していて、百貨店勤務時代に自分の目で見てきた「日本の職人の手仕事」をもっと多くの方たちに伝えたい、そして頑張る女性たちのライフスタイルに寄り添えるブランドに成長させていきたいと思っています。

今は子育てを1番大切にしたいので、自分ひとりで出来る範囲でブランドに関わりたいと考えています。今後、海外に移住することも視野に入れているので、信頼できるビジネスパートナーができたら任せられるところは分担して、子育てと仕事を上手く両立していけたらいいなと思っています。

漢方に興味

もともと体がむくみやすい体質で、当帰芍薬散を服用していますが、1週間に1回のペースで鍼治療にも通っています。育児で動体視力を毎日使っているからか、目のツボに1番鍼が効きます(笑)。そこの先生が漢方に詳しくいろいろ教えてくださって、私も漢方に興味を持つようになりました。今は、ドラッグストアで漢方薬を購入できますが、漢方薬を処方してくれるお医者さんがもっと増えればいいなと思っています。お医者さんから漢方薬を勧められなかったら、日常に漢方が入ってこず、漢方自体を意識することがないので非常にもったいないなと感じます。

簡単なルールで健康を管理

3歳の息子が家でジュースを飲む時は、無添加で100%ストレートのものをあげるようにしています。でも、お友達と外に遊びに行く時はコンビニで売っているものも与えて、TPOを考えてバランス良くコントロールしています。子どもが生まれてからは、子どもが口にするものには、とくに気を遣うようになりました。

また、日常の食事では夫と子どもの健康を意識していますね。忙しく時間がないときは出来合いのものを買うよりも、新鮮な食材に天然のお塩を振って焼いたり蒸したりするだけの方が身体にはいいかなと思って実践しています。素材の味も楽しめますし、調理時間も短縮できるので助かります。

ずっと何かに取り組んで忙しくいたい

三越伊勢丹で自分のやりたいことを一通りやらせてもらい、上昇志向も強く、仕事により満足感を求めていたため、転職を決めてベンチャー企業に飛び込みました。そこは今までの労働環境とは全く異なり、精神的に参ったこともありました。本当にもうダメかもしれないとギリギリの状態だった時に、妊娠とコロナ禍が重なり、ゆっくり休める時間ができたので、壊れる寸前の私を子どもが助けてくれたのかもしれません。子ども中心の生活をしたいという思いから、独立する選択をしました。病気になった時でも自分の代わりがいないので、だからこそ日々健康でいたいという思いが強くなりました。

今後もいろんなことに挑戦したいなと思っています。もし、家族で海外に移住したら、そこでおばんざい屋さんをしようとか大学院に通おうという夢があります。そういうビジョンがあるから、何事も前向きに考えて生きていけていますね。ずっと何かしらに取り組んで忙しくいたいです(笑)。理想は、子どもも自分も自立していることです。いずれ、子どもが自立した時に自分も子どもから自立していると気持ちも楽ですしね。

秦望/はたのぞみ

東京都港区白金出身。慶應義塾大学を卒業後、三越伊勢丹へ入社。MD企画等本社部門を経た後に転職。2022年に起業し、現在はオリジナルハンドバッグのブランド「iream」を運営。全国の百貨店にてポップアップイベント等を実施し、私生活ではまもなく3歳を迎える息子あり。

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