撮影:高瀬博

2023.08.28

わたしと漢方

自分のために、そして家族のために身体の巡りを整えて健康でいることが大切

小紫莉子 セラピスト

「がんばる女性に癒しのひとときを」という思いのもと、東京・田園調布で美と健康のケアサロン「spa shiro.」を手がけている小紫莉子さん。きらきらした陽光が差し込み、カレンドラやラベンダーのアロマオイルの香りで満たされた空間で、これまで多くの女性たちと向き合ってきました。セラピストとして、また3児の母として忙しい毎日を過ごしている小紫莉子さんは、「自分のために、そして家族のために身体の巡りを整えて健康でいることが大切です」と語ります。セラピストとして活躍する小紫莉子さんに、健康への向き合い方や日々の生活についてお話を伺いました。

身体の巡りを意識する

3人目の出産を終えた2023年1月に、田園調布で「spa shiro.」を開業しました。「spa shiro.」では、頭皮をマッサージして自律神経を整える「脳洗浄」を始め、微弱電流を使って細胞を活性化させる最先端のトリートメント「セルラム」、そしてオイルを使いながら肩甲骨の歪みを整えるトリートメントの3つのメニューを提供しています。

心身の健康のためには、身体の巡りを定期的に促すことがとても大事だと考えています。男女にかかわらず、情報化社会のなかで生活していると、常に脳が情報を処理しようと働き続けてしまいます。そうすると、脳や身体が凝り固まって体液や老廃物の流れが滞り、浮腫みの原因になります。「脳洗浄」は、凝り固まってしまった頭皮の癒着をはがしながらマッサージで優しく丁寧にほぐし、オイルで流していくことで全身の血流やリンパの流れを促していきます。身体の巡りが改善されれば、自律神経が整い、ホルモンもきちんと分泌されて健康でいられます。健康であれば、自然体で美しく年齢を重ねていけるのではないでしょうか。

セルフメンテナンスを心がけて

現代の女性はついがんばりすぎてしまいがちですが、自分のためにセルフメンテナンス、セルフケアを心がけて欲しいと思います。女性の場合は、家庭だけではなく会社、友人関係など果たさなければいけない役割が多く、どうしても自分自身のことを後回しにしてしまいがちです。こうありたいという自分の理想があるにもかかわらず、そうなれない自分でいることにストレスを感じてしまい、自分の器がどんどん小さくなり、周囲にあたってしまうこともあります。でも、女性として自分が満たされていて、毎日が幸せで健康に過ごせていられるならば、なにに対しても愛や感謝の気持ちをもって優しく受け止めてあげられるのではないでしょうか。

私自身、セラピストになる前までは気分が落ち込むことがあったり、イライラしていたり、満たされていない自分がいた気がします。23才で出産して30才目前まで子育てしかしてこなかったことに焦りを感じていたのかもしれません。それまでは常になにかを求めていたのですが、セラピストになり、家庭や母親以外の自分ができたことが私の活力になったのかもしれません。家庭と両立しながら自分自身が自立して、今は求めすぎない感覚ができたと感じています。

子どもとの今の時間を大切に

今は、ワークライフバランスがとてもいいと感じています。子どもが学校や保育園に行っている時間帯に働き、朝や夜は家族との時間に当てています。子どもが寝た後は、オンラインでオーストラリアの講座を受けて勉強の時間に当てたり、あるいはゆったり寛ぐ時間にしています。家庭が第一だと思っていますから、このバランスが今の自分に一番合っていると思います。特に長男は小学3年生になって、だんだんと手が離れていって、こうして常に一緒に過ごせるのはあと少しの間だと感じていますので、今のこの時間を大事にしたいと思っています。

ただ、家庭と仕事の両立は自分ひとりでは絶対に築けませんでしたし、夫や家族のサポートに支えられたおかげでもあります。私の両親や妹だけではなく、義理の両親も快くなんでも手伝ってくれますし、夫は家事でも子どものことでもなんでも引き受けてくれます。会食があっても、一旦帰宅して子どもたちをお風呂に入れて、ご飯を食べさせてから出かけます。夕方はバタバタして忙しいのでとても助かっています。

腸活を意識した食生活

最近は、健康のために腸活を心がけています。脳腸相関といわれるように、頭とお腹の関係はとても密接で、腸内環境が整うと精神的にも整いますし、免疫力もあがりますので、ここ数ヶ月は塩麹などの発酵調味料を積極的に取り入れています。週末はどうしても外食が多くなりがちなので、平日はできるだけ家で食べるように心がけています。調味料に気をつけたり、野菜も無農薬のものを選ぶようにしています。ミネラルが不足がちなので、野菜をしっかり摂りながら、サプリでミネラルを補うことにも気をつけています。

それから、今まではお肉料理が多かったんですけど、できるだけ身体に優しい食事ができたらと思い、家ではほとんど作らなくなりました。お肉は胃腸の消化の負担も大きいようです。お肉を摂らなくなって、太りにくくなりましたし、体が軽くなった感覚があります。ただ、お肉を全く食べないと追い込みすぎないで、外食では多少摂っても家では摂らないように、としています。選択肢があるなら、身体に優しい方を選ぶといったくらいの感覚でいます。なにが自分の身体に合っているのかを理解したうえで、その効果を体感しながら、ちょっとずつ今の食のスタイルになっていきました。

自分のために、そして家族のために

健康でいるためには、どれかひとつだけをやっていればいいというものではありません。身体だけほぐせばいいわけでもないですし、栄養学や心理学の観点からも身体を診て、いろいろな方向から整えていくことが大切です。もちろん毎日の食事も大切ですし、漢方薬やサプリで日々ケアすることも大事です。私の場合は、葛根湯を常備して風邪かなと感じたらすぐに飲むようにしています。

セラピストになってから、自分のマインドの変化をすごく感じますし、体調の変化にも敏感になりました。健康でいることを心がけて、セルフメンテナンスで自分を整えることの大切さを実感しています。余裕を持った自分でいられますし、なによりもこうありたいと思う母親でいられます。自分を整えることは、決して贅沢なものではなく、自分のためであり、そしてそれは家族のためでもあることをこれからもお伝えしていきたいと思っています。

小紫莉子/こむらさきりこ

セラピスト、フェムテックマイスター。東京・田園調布に美と健康のケアサロン「spa shiro.」を開業。海外生活15年のバイリンガル。セラピストとしてがんばる女性をサポートしたいという思いのもと、栄養学や心理学なども学ぶ。海外生活15年のバイリンガル。
インスタグラム:@therapist_rico

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