2021.10.13

わたしと漢方

できていることに目を向けて確認していく事が"ありのままの自分を育んでいく"ことに繋がるのだと伝えていきたい

本島彩帆里 ダイエット美容家

ダイエット美容家として、多くの著書やメディアで美容や健康に関する情報を発信している本島彩帆里さん。2020年にはポルトガル語で「自分自身」という意味を込めたセルフケアブランド「eume(イウミー)」を立ち上げ、女性が手軽にセルフケアできるアイテムを展開しています。総フォロワーが35万を超えるSNSでは、「自分が本当に好きなもの、本当に良いと感じるものしか紹介してきませんでした」といい、そうした姿勢がたくさんの女性から大きな信頼を得ています。ブランド名の由来の通り、「自分を育んでいくことの大切さや方法をこれからも伝えていきたい」と語る本島彩帆里さんに、自分との向き合い方や健康に対する思いについてお話をうかがいました。

心と体を一緒に感じてみることが大事

漢方の考え方もそうだと思いますが、心と体はつながっていて表裏一体ですよね。だから、心身に不調を感じたら、心と体の両軸からアプローチすることを心がけています。不安やストレスを感じた時は、心のどこがドキドキしているのかをまずは体と一緒に感じてみるようにしています。同じ緊張やストレスでも種類が異なりますし。その原因を受け入れたら、あとは楽しくなるようなコンテンツを見たり、リラックスできる場所に行ったりして心をリフレッシュさせています。

体のことで言うと、ルーティンで毎日これをすると決めているわけではないですが、お通じや肌の調子、舌の苔具合を観察するようにしています。自分の体が今、どんな調子かを教えてくれますので。あとは、「巡る」というキーワードを大事にしています。尿や便、むくみ具合、冷えや呼吸など「体身の巡り」が大事だと気付いてからは、まず体から出すことを意識するようにしています。

こうやって心と体を一緒に感じてみることから1日を始めるようになりました。あとは体を触ってみて、お腹が張っていないか、気持ちのコンディション、その感覚で今の状態はこんな感じかなと。忙しいと頭がかちかちに硬いですし、じゃあ今日はここを揉んでみようとか。あとはサプリを飲んだり、よく寝たりして、バランスを整えていくことが自分にとっての健康管理ですね。

自分自身を知ることが体質改善につながる

以前は、頑張るか頑張らないかの対極しかなくて、週末によく燃え尽きていました(笑)。当時は平熱が35度前半くらいでしたが、今は36度後半です。全身、吹出物だらけでしたがそれも改善されて、体調も180度変りました。もともと末端がすごく冷えていて、特に足は毎年霜焼けになるくらいひどかったのですが、便秘が解消されてから改善されました。私にとってお通じは健康のバロメーターで、「お便りをありがとう」と毎朝、思います(笑)。食べすぎていた胃を休めて、消化に時間を注ぐようになってから、腸内環境がよくなりましたね。現代人は胃腸が疲れていますよね。食事も小麦を食べすぎないように心がけて、サラダ油や揚げ物を控えてオリーブオイルなどのナチュラルなオイルに変えました。

こうしたことに気付いたきっかけは、10年くらい前にメンタルケアの一環でカウンセリングに通い始めたことです。自己理解を深めて、自分自身を知っていくことが全てのベースにおいて重要だと実感しました。自分を知らないことには自分自身にとって最適かどうかは分からないとすごく感じて、それからは自分がどう感じているかを大事にしています。

深く考えず臨機応変に

ワーク・ライフ・バランスについてよく聞かれますが、無理しないことを重要視しています(笑)。誰でも日々、いろいろな影響を受けますから、その時々で感じるモヤモヤや不安、ワクワクなどの感覚に気付き無視しないようにしています。仕事がすごく忙しい時は、「ママ、今日は仕事が忙しいから遊べないよ」と事前に息子へ伝えたり、「今日は余裕がないから自分でやってほしい」と家族に伝えるようにしています。「ママも一定じゃないし、いろいろあるんだよ」と(笑)。我慢することが得意だったので、こういうことを口にするのは本来苦手なのですが、家族やパートナーにはできるだけ伝えるようにしています。ただ、伝え方はとても大事で、自分の気持ちを一方的に押し付けずに、聞いてもらえたり、話し合える場づくりをしてからだと相手に伝わりやすいです。お互いの関係をもっとよくしていくためだったり、日常をもっと気持ちよく過ごしていくためという前提を共有してから、「今は余裕がありません」と(笑)。小学校の1年生になった息子も理解してくれていて、「じゃあ、水曜日は僕の日ね」とか「じゃあ、何時まで待っていればいい?」と、具体的に時間軸での会話が増えました。まあ、日々鍛錬ではありますが(笑)。

パーソナルに向き合ってくれる漢方クリニック

不調があるときはまず漢方クリニックに行くようにしていて、そこで漢方薬を処方してもらっています。不調があるところだけを診断するのではなく、顔や舌の感じからお腹の張り具合まで総合的に診てくれるところがいいなと思っています。不調の原因がストレスなのか、あるいは水分が足りていないのか、そういったことをパーソナルに向き合ってくれるので自分に合っていると感じています。自分で治す力ってたくさん持っているじゃないですか。漢方はそうした力に勢いをつけてくれるケアだと思っています。

「eume」の公式サイトで、「冷え性診断」ができるのですが、これも漢方からの発想です。もともとセラピストなので、多くの方の体に触れてきました。冷えには種類や原因がさまざまあって、一緒ではありませんよね。漢方を体験するうちにその思いに辿り着いたので、参考にしています。肌のことはわりと外面だけをケアする場合が多いのですが、実は腸内環境やストレスが健康や不調に関連しているわけで、そういったことを伝えていきたいと思っています。

できていることに目を向けて自分を育んでいく

できていることも沢山あるのに、現状のダメな部分にばかり目が向いている女性が多い印象です。積み重ねてきた、できている事実にも気付いて育めるようになる自分との関わりが増えたらいいなと思っています。日本は根性で頑張れという精神論が多くて、小さい頃から自分を育むことよりも、高めたり、人と比較されてきた文化が強いと思います。私もできないことにばかりフォーカスして、本当はできていることがたくさんあるのにそこに目を向けられませんでした。今できていることを理解することは、自然と湧いてくるモチベーション、これもできるかもしれないという自信につながると思います。

「eume」は、自分を育むファーストステップとして使っていただけるようにと作ったブランドです。履くだけでケアができる商品や抹茶を使ったプロテインなどを展開しています。「eume」を通じて、心と体もセルフケアしていける方法がたくさんあるということを伝えていきたいと思っています。そして、メンタルヘルスの発信にも力を入れていきたいなと思っています。他の誰かや何者かになろうとするのではなくて、ありのままで変わっていけることを私は体験しているので、そういったことをサポートできたらとずっと思っています。誰かのメンターやミューズになりたくて発信しているのではなく、「あなたは、あなたのままで、変化しつづけていけるよ」ということを私も実践しながら伝えつづけていきたいです。

本島彩帆里/もとじまさおり

産後マイナス20kgのダイエットに成功した経験や、元セラピストとしてのキャリアを活かし、ダイエット美容家に転身。これまでに発売した著書は累計40万部を超える。セルフケアブランド〈eume〉を手がけている。

Instagram:@saoooori89

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