2018.07.03

わたしと漢方

植物の力を借りて、自分にスイッチを入れる

安藤桃子 映画監督

植物にとって恩恵となる日照時間と降水量が全国でも有数の豊富さを誇る高知県。県内を流れる仁淀川は、日本一美しい川として知られています。ツムラの漢方の原材料となる生薬は、高知県のこうした豊かな自然環境の中で大切に栽培されています。今回、高知県に移住して4年になる映画監督の安藤桃子さんが生薬畑のある高知県・越知町を訪れました。

植物も人もエネルギーに満ちた高知県

高知県は寒暖の差が激しい土地で、植物でも人でもパンチが効いててパワフルに育つイメージです。高知県産の山椒を初めて食べた時に、生命力というかエネルギーが詰まっている気がして虜になりました。うちのチビも2歳くらいから粒山椒が好きで、ぴりっとした感じが気持ちいいって言いながら口にしてましたね。ここ越智町の生薬畑で育てられた山椒は、実の大きさが全部きれいに揃っていて、これほど立派な粒はなかなか見ませんよね。

私もメンタルに波はありますが、波があってもと思えるのが高知県。振り子のように、気分が落ちている時はその反対側には元気な自分がいるんだということを実感できるんです。どっちがダメだと考えると苦しくなりますよね。 すべて良し!というふうに思えるようになったのは高知に来てからで、生まれながらにこの環境に育ちそのことを本能で知ってる人がたくさん暮らしているなと感じるのが高知県です。

自分の身体と自然とのコラボレーション

メンタルバランスを崩したときに体調が悪くなることが多いですね。現代社会では、身体の陰陽のバランスを自分できちんとコントロールすることが難しいんじゃないかな?特に女性は生理があるし、そこで調子を崩したりホルモンバランスがおかしくなったりってありますよね。私の場合は、毎週と言っていいくらい体調が変化するので、地元の薬剤師さんにこまごまと診てもらい、いろいろな漢方薬を処方してもらってます。

漢方や自然の力を借りて、自分のなかにあるスイッチを入れることで良くなっていく。元々自分の持っている力を引き出してくれる感じですよね。私のイメージとしては細胞とDNAがぽんっと開く感じです。人の身体も自然の一部であって、自分の身体と自然が同じ波長で向き合ったらちゃんとコラボレーションしてくれるものだと思います。すべての植物は毒にも薬にもなりますが、「植物の力をお借りします」という気持ちで漢方を摂るとそこでコラボレーションしてくれるのかも。漢方や東洋医学は、そうしたメンタルのあり方や気の持ちよう、その答えに至るところまで導いてくれるものだと思います。

安藤桃子/あんどうももこ

1982年東京都出身。映画監督。2010年に監督・脚本を手掛けた『カケラ』で映画監督デビュー。自身の介護経験に着想を得て書き下ろした長編小説『0.5ミリ』(幻冬舎)を、2014年に妹の安藤サクラ主演で映画化。2017年に高知市内に映画館「ウィークエンド キネマ M」をオープン。プライベートでは2014年に結婚、高知県に移住。一児の母でもある。

最新記事