STORIES "KAMPO with Me"
わたしと漢方
連載「大宮エリーの 私、ツムラーになる!!」第3話
第3話 「二日酔いの術」

お酒を飲む人だと思われているんですねぇ、私。そしてそれは、間違いではないんですがすごく正しい訳でもないんだなあ。
以前は朝まで飲んでいました。たまに、飲みすぎて武勇伝を作ることも。飲んで解散したあと心配した友人が、電話してくれて、「大丈夫?帰れてる?」
それに対して、私は
「大丈夫。いま1番、安心できるとこにいる」と言うので何か変だなと思った友人が、
それはどこなの?と聞いたら
「植え込みの中」
と答えたそうな。
あとはリハーサルがあるから
久々に会えると思い、よろしくねメールしなきゃと連絡した友人に
「昨日も会ってるから!」
と言われる始末。
一軒まるごと、友人ごと記憶なし。
レストランのテーブルにあった小さなクリスマスツリーのオブジェを
ワイングラスと間違えてずっと手に持ってぐるぐるしていたそうです。
基本ご機嫌で面白い方向の酔い方なのでみんな笑ってくれてそして言いふらされる。
あるときは朝起きたらツイッターで私の酔っ払いの中継がやっていました。
「いま大宮エリーが、酔って、
MacBook Airのアップルロゴに
カレーのルーをかけた模様。
本人曰く、白いからご飯かと思った。とつぶやいております!以上、現場からのリポートでした」とあった。
朝3時くらい。
なるほど。そんなことがあったのか。
いや。マジで⁈と慌てて鞄から
MacBook Airを取り出す。心なしか黄色い?
近所で坂になっているところの坂の傾斜を使って、ベッドのように路上に
寝ていたのを、またまた車で通りかかった斉藤和義さんに発見されたこともありました。
本当に恥ずかしいなと辞めたいなと思っていたら、歳をとると共に、飲めなくなるもんですね。量も飲めないし、時間も長くは無理。1時くらいに眠くなってしまう。ところが友人たちは何故か元気なんですね。なんなんでしょうか。個人差があるのが困りもの。
彼ら彼女たちは揃ってこう言うのです。
「どしたのエリーちゃん!まだまだ飲もうよ!」
とか
「またまたあ。飲めないふりしてー」
とか。
いやいや、本当に弱くなったんだってば。次の日頭痛くなっちゃうんだから。だるかったりしんどかったり、もう、殺してくださいって言うくらい辛い時もあるんだから。
でも彼ら彼女たちは、納得しない。
「つまんないー、飲もうよー」
「無理だよ、マジで勘弁して」
すると、友人の一人、Hちゃんが言った。
「オッケー!薬局行こう!」
ははーん、飲む前に飲む!ってやつを買うのかなと思ったのである。すると、、、
そのよく、年末にCMがバシバシ流れるドリンクコーナーを素通り。
「あれ?あれ?これじゃないの?」
「違うよ」
あれ?どこに行くんだ?
彼女が足を止めたのは漢方のコーナーだった。
「あ、ツムラ」
「そう、ツムラ」
「え?なんで?」
と怪訝そうに私は聞いた。
「これ、ツムラの15番か、17番がいいんだよ」
「え?なにそれ」
この、番号で言う感じ、なんかゴルフみたい。かっこいい。
黄連解毒湯か、五苓散を勧められる。
「すごいね、Hちゃんて、、よく漢方飲むの?」
「ううん、お酒のときだけー!」
でも、番号で言うなんて、ゴルフ以外に初めて聞いたわ、、。
Hちゃん、あなたはやっぱ、ゴルファーではなく、ツムラ~だよー!